第14章 山 田 家
あまり音を立てないように部屋に入れば、一郎くんは辛そうにベッドに横たわっていた。
一郎「二郎…なんで名前が…って…うおっ…!?名前…!?」
『あ、えっと…二郎ちゃんに冷えピタ交換するの頼まれて…』
一郎「っ…二郎のやつ…」
部屋に来たのが二郎ちゃんだと思ったのか、一郎くんはすぐに話始めるも空気で察したのかすぐにこちらを見たと思えば一郎くんは飛び起き酷く驚いたような顔をした。
やっぱり私の事話してた…なんでいるんだってことだよね……きっと…。
『一郎くん…あの、勝手に家まで来てごめんね。本当はこの前のお礼に来たんだけど、一郎くんが風邪で寝込んだって三郎くんから聞いて…風邪移しちゃったの絶対私だし、なんか心配で……』
一郎「………あっ、いや…別に気にすることじゃねぇよ……」
名前の放った移したのは私という言葉に、一郎は名前にキスしたことを思い出してしまえばバッと更に顔を赤くし口元を手で押えつつ名前から顔を逸らした。
『私に出来ることならなんでも言ってね?必要なものとか、食べたいものあったら買ってくるし…!って……なんかまた熱上がった?顔赤いけど…』
一郎「いや…大丈夫だろ…」
『とりあえず…冷えピタだけ張り替えさせてね?』
私はベッドに座る一郎くんに近付けば、おでこの冷えピタを剥がして新しいのは貼り付けた。
一郎「っ……冷てぇ」
『早く熱下がるといいね…』
一郎「…おう、ありがとな」
辛そうだし、あんまり居座ると気遣わせちゃうかな…
とりあえず三郎くんの所に戻ろうかな。
服も少しは乾いただろうし…そう思いながら私は立ち上がった。
『一郎くんゆっくり休んでね?私いくね?』
そう伝え、ベッドから離れようとすればいきなり一郎くんに手を掴まれた。