第14章 山 田 家
二郎「タオルと着替え持ってきた。着替えちょっとデカいかもだけど…ってなんでお前がいんだよ」
タオルと着替えを抱えた二郎ちゃんは部屋に入ってくるなり三郎くんの姿に不機嫌そうな表情を浮かべた。
三郎「あまりにも二郎がとろくて、寒そうにしてたからタオル持ってきてあげただけだけど?」
二郎「あ、悪ぃ。大丈夫だった?」
『えっ?あ、うん…大丈夫だよ?逆にごめんね?』
二郎「俺が勝手に連れてきただけだし…あ、服乾くまで干しておくからこれ着といて」
そう言って上下セットのスウェットを手渡してくれる二郎ちゃん。
私は有難く着替えを受け取った。
『ありがとう二郎ちゃん。借りるね?』
二郎「おう…トイレあっちだから」
トイレで着替えるように言われれば、私は着替えるためにトイレを借りることにした。
三郎「……何で連れてきたんだよ」
二郎「雨で濡れちまったし、そのまま返す訳にもいかねぇだろ。風邪ひいたら困るし」
三郎「そんなこと言って、二郎が連れてきたかっただけじゃないの?うわー、むっつりスケベ」
二郎「はぁ!?お前こそ兄ちゃんの見舞いに来た名前ちゃんを追い返しといてタオル持ってくるとかどうゆう風の吹き回しだよ!嫉妬かよ?ダッセェな三郎」
三郎「っは!?なんで僕がそんなこと…!」
一郎「おい、お前ら…なに騒いでんだよ」
二郎三郎の騒ぎ声に何事だと思い起きてきた一郎。
おでこに冷えピタを貼り、暖かい格好をして少し辛そうにしていた。
二郎「兄ちゃん!」
三郎「ごめんなさいいち兄…寝てなくていいんですか?」
一郎「また寝るけどよ…何か飲もうかと思って」
二郎「言ってくれれば持っていくのに…!」
一郎「お前らに頼ってばっかりもなんかな……」
そう言って一郎はキッチンに行けばコップに水を注いだ。
そんな中スウェットに着替えた名前がリビングへと戻ってきた。