第14章 山 田 家
二郎「入れよ。今タオルとか持ってくるからさ」
萬屋ヤマダに着くなり、半ば強引に家の中に押し込まれ家のリビングのような場所で二郎ちゃんに待っているように言われ、一人になった私はつい部屋の中を見渡す。
……………………結局来てしまった……。
今のところ三郎くんは居ない…みたい???
って、なんで年下に怯えてんの私…。
座って待とうかとも思ったけど、濡れてるし…なんて思いながらも棒立ちのまま待っていれば、部屋のドアが開いた為二郎ちゃんが戻ってきたのかと思いドア付近に目をやればそこには三郎くんが立っていた。
『……………あ』
………これぞフラグ回収って奴???
よりにもよって三郎くんに出会すとは…また怒られるのかな…なんで居るんだよ的な感じで…
あまりにも三郎くんに嫌われてる私は、少しビビりながらも三郎くんに声をかけた。
『えーっと……その……』
三郎「……何でいるんだよ…不法侵入?」
『ち、ちが!』
三郎「…それになんか濡れてるけど」
『さっき二郎ちゃんと会って…その時に雨に打たれて…ここに連れてこられたって訳で…別に不法侵入をしたとかそうゆうのじゃないよ…!?』
その言葉に三郎くんは疑うように目を細めてジト目でこちらを見てくる。
また何か言われるのでは…なんて身構えていれば、三郎くんは黙ったままリビングを出ていってしまった。
『えっ…あ、ちょっと…!』
勢いよく閉められたドアに、これは怒ってるのではと思い私はついため息をしてしまう。
私三郎くんに何もしてないんだけど…!
なんでこんなに嫌われてるの?えっ?どうゆう事?
あからさまに嫌われると流石に凹むよ……
三郎くんに嫌われていることに改めてショックを受けるものの、先ほど濡れたせいか寒くなってきてしまえば私は自分の体を手でさする。
二郎ちゃんまだかなぁ…と待っていれば、少しして再びリビングのドアが開かれた。