第2章 頼 れ る 人
『はい、もしもし……』
?「あ…出た」
……出たって、イタズラ電話?
今イタズラ電話に付き合ってる余裕はないんだけど…
そう思いながら黙り込んでいれば、相手が話し出した
?「…名前であってる?」
『へ…?』
いきなり名前の確認を取られ間抜けな声が漏れる
な、なんで私の名前知ってるの…怖すぎ…!
でも知り合いだったら番号登録してあるしな…
一体誰なの…え、やだ、怖い……
恐怖に口が出なくなれば相手は優しめの声で名前を言ってきた
?「俺、独歩だけど…覚えてる?」
『…………え?ど、独歩、くん…?』
なんで独歩くんが私の番号を…?
え、待って…私今すごく錯乱してる
『独歩くんって、あの独歩くん…?』
独歩「他に居ないだろ…多分」
『えっ…でも、なんで…電話…』
独歩「名前の両親から電話貰ったんだよ。名前が初めて都会で暮らすから、もしもの場合は頼むって…だから電話してみたんだけど…いらなかったか…」
『い、いや!いらなくない!その、私も独歩くんに連絡しようとしてたから…』
独歩「え、そうなのか?」
『うん…っ、来た早々色々あり過ぎて…もう心折れちゃって…』
電話をくれたのは、自分の知らない独歩くん
子供の時とは違い流石に大人って感じの話し方、そして落ち着いた声色
一人だと思っていたけど、独歩くんの落ち着いた声を聞いて不安だった気持ちとホッとした気持ちが混合して勝手に涙が流れた
独歩「……名前、泣いてるのか?」
『ごめん…なんか、独歩くんの声聞いたらホッとして…っ』
止めようとしても全然止まらない涙
なんでこんなに泣いてるんだろう…
そう思いながら溢れる涙を拭う
そんな私に、黙り込んでしまった独歩くんが口を開いた
独歩「俺、今仕事終わったから迎えに行く」
その言葉に私は耳を疑った