第2章 頼 れ る 人
あれから私は無事に自宅へと帰ってきた
『はぁ〜〜、やっと帰ってこられた……もう軽く10年くらいは寿命縮んだよコレ…』
私ってなんて運のない人間なんだろう…
都会暮らしに憧れて引っ越してきたものの…変な奴に絡まれてホテルに連れていかれそうになるし、助けてもらったかと思えばそいつも変な奴で…しかもめちゃくちゃ怖いし…!
理鶯さんは神レベルに優しかったけど…
『はぁ、もうヨコハマ住めないかも…またあの怖い人に会っちゃうかもしれないし…』
そんなことを考え憂鬱になっていれば、ふと上京する前両親から言われていた事を思い出した
『そういえば…小さい頃に近所に住んでて、一緒に遊んで貰ってた人がシンジュクに住んでるって言ってたっけ…』
その人は観音坂独歩という人。
小さい頃によく遊んでもらっていたけど、私が高校に行き始まったくらいに独歩くんは都会に引っ越してしまった
それから長年会ってないから、私の事なんて覚えてないだろうけど…独歩くんの両親とうちの両親はとても、仲がいい
だから私が都会に引っ越す時に独歩くんの両親が「何かあったら頼りなさい」って独歩くんの番号を教えてくれたんだった…
カバンからメモを取り出しじっと眺める
『………いやいや、ダメダメ…!独歩くんだって私生活あるだろうし…それに、私の事なんて忘れてるかもしれないし…頼るわけには…』
ダメ…だよね…やっぱり…。
そう思うと更に落ち込む
自分で好きで引っ越したんだもの…しっかり自立して立派にならなきゃ…!!!
…………でもなぁ……もう実家に帰りたい。
とりあえず実家に帰らせてほしい!
そう思っていれば、急に携帯が鳴った
『?誰だろ…。ん?名前出てない…知らない番号だ……』
誰だろう…そう思いながらも着信画面を眺めていれば、あっという間に切れてしまった
そして、再び電話が掛かってきた
一体誰…!?
こ、怖いけど出てみようかな…
何度も掛かってきてるし…
そう思い、私は電話を出た