第13章 看 病
二郎「名前ちゃんってさ……兄ちゃんのこと好きなの?」
『……えっ???』
二郎ちゃんの言葉に私はフリーズした。
なんで私が一郎くんを好きってゆう解釈になった?
えっ…好きとか言ってないよ…ね???
ただお見舞いに来ただけなんだけど……
お兄ちゃん取られると思ったのかな…え、なんかごめん…
二郎「いや…兄ちゃんに会えないだけでそんな悲しそうな顔するから…す、好きなのかなぁ…って」
『あの、違うよ…!?一郎くんはお友達だし、昨日わざわざ家までお見舞いに来てくれた上なんか風邪移しちゃったみたいだから…申し訳ないなと思ってお見舞いに来ただけだから…好きとかそうゆうのじゃないからね…?』
二郎「じゃあ…俺が風邪とか引いたら、見舞いに来てくれる?」
何故か捨て犬のような顔でこちらを見ながらそんな事を言ってくる二郎ちゃん。
か、可愛い…なんだこの可愛い生き物は…
『もちろんだよ…お見舞いに来ていいならいつでも行くよ?』
二郎「…!まじで?……兄ちゃんに風邪移してもらお」
…うん、なんか聞こえた気がしたけど気のせいだよね。
私は二郎ちゃんの言葉は聞かないふりをし、ふと空を見あげれば今にも雨が降ってきそうな雨雲がかかっていた。
『なんか急に雲行きが怪しくなってきたね…』
二郎「あ、確かに。降ってきそうだな」
二郎ちゃんのその言葉を聞いていたかのように、いきなり雨が降り出した。
『うわっ、降ってきた…!』
二郎「いや、マジかよ…!」
最初はパラパラ降っていた雨だが、雷が鳴ったかと思えばザーザー降りになってしまった。