第13章 看 病
黙って二郎ちゃんに着いてくれば、噴水のある公園に到着した。
二郎「ちょっとここで休まねぇ?」
『……あ、うん』
二郎ちゃんは私の腕から手を離して噴水前のベンチへと腰掛けた。
そして、私にも座るように促してくれるので隣に座った。
『あの、二郎ちゃん帰るところだったんじゃ…』
二郎「そんな顔されて放っておけるわけねぇじゃん」
『えっ…そんな顔って…』
二郎「なんつーか、悲しそうな顔…みたいな」
私そんなに悲しそうな顔してた?
まぁ、三郎くんに嫌われてる事は悲しいけど…
そんなこと思いながら少し俯いていれば、二郎ちゃんは私の手にあるケーキの箱を指差した。
二郎「それ、俺にちょうだい」
『へ?これ?まぁ、貰ってくれるならありがたいけど…』
私は素直に二郎ちゃんにケーキの箱を手渡した。
すると二郎ちゃんはケーキの箱を開けて、手でケーキを掴みあげればそのままパクッと食べた。
『…二郎ちゃんって甘いの好きなの?』
二郎「ん。まぁ、別に嫌いではねぇかな」
二郎ちゃんは三郎くんや一郎くんの分まで全てのケーキを平らげ、近くにあったゴミ箱にケーキの箱を捨てた。
二郎「久しぶりに食うと美味いな」
『本当?これヨコハマで人気のケーキなんだよ』
二郎「へぇ、俺はあんまそうゆうの詳しくはねぇけど味が美味かったのはわかるわ」
優しい笑顔を浮かべながらこちらを見てくる二郎ちゃん。
……私に対して気遣ってくれたのかな?と思いながら二郎ちゃんを見ていれば二郎ちゃんはいきなり変な事を言い出した。