第1章 都 会 は 怖 い
左馬刻「チッ…、空気の読めねぇ奴だな…」
部下を締め上げた後、部屋に戻ってくれば一度部屋を見渡す左馬刻
左馬刻「あのクソ女どこいった…」
さっきまで居たであろう名前の姿が見えなくなれば頭にはてなマークを浮かべた
左馬刻「銃兎がどっか連れていったか…やっと静かになったぜ…」
そう零しながら再びソファーにどかっと座れば、続けて銃兎が部屋に入ってきた
銃兎「はぁ、めんどくせぇな…」
仕事の電話を終えた銃兎が戻ってきた
そして左馬刻同様に部屋を見れば眉がピクっと動いた
銃兎「左馬刻、アイツはどこに?」
左馬刻「は?俺が知るかよ。テメェが連れていったんじゃねぇのか?」
銃兎「いえ、特には」
そんな会話をしていれば、部屋に料理を持った理鶯が入ってきた
理鶯「出来上がったぞ」
左馬刻/銃兎「……………なんだそれ」
理鶯が持っている料理を見ながら顔を引き攣らせる二人
そんなことも気にせずに理鶯は口を開いた
理鶯「トカゲの干物だ。昨日捕獲したから干してみた」
左馬刻「いや、おかしいだろ…!つかそれ料理じゃねぇだろ!」
銃兎「あの、理鶯。俺は腹減っていないので食べませんよ…?」
左馬刻「俺もいらねぇぞ…今は」
理鶯「だが、さっきいた女が二人が腹が減っているので食わせてやってと言っていたぞ」
左馬刻「は?理鶯会ったのか?」
理鶯「あぁ。急用が出来たから帰ると言っていた。そしてその料理は二人に食わせてやってと言っていた」
左馬刻/銃兎「あの女ァ…!!!」
左馬刻「あのクソ女…次会ったらぜってぇにとっ捕まえてやる…」
銃兎「奇遇だな、俺も同じことを思っていた」
理鶯「?とりあえず、保存しておくから後で腹が減った時にでも食うといい」
そう言って、トカゲの干物を真空パックに入れだした理鶯
その様子に、絶対食わないとダメな奴だと二人は確信し、名前への恨みがフツフツと湧き上がっていったのだった