第11章 誤 解
寂雷「風邪だね。熱が高いみたいだし、今日は点滴をして帰った方がいいかもしれないね」
そう言うと寂雷先生は私のカルテに色々書いていく。
点滴かぁ…何年ぶりだろう…
注射痛そうだなぁ…
『注射痛そうですね…』
寂雷「大丈夫だよ、なるべく痛くないようにするね」
左馬刻「注射怖がるとかガキか」
そんなやり取りをしながら、私は処置室へと移動しベッドに寝かされた。
ベッドの端には既に名前の書かれた点滴が用意されており、私は超絶びびった。
そんなビビっている中、暫くすると寂雷先生が来てくれた。
寂雷「じゃあ、点滴するよ。本来は看護師さんにやってもらうんだけど、特別に私が打たせてもらうよ」
『あ、ありがとうございます…一思いにやってください…』
寂雷「なら早く済ませるよ」
寂雷先生は怖がる私を配慮してぱぱっと点滴の針を刺し処置をしてくれた。
寂雷「痛かったかい?」
『…痛くなかったです、びっくり…』
寂雷「それは良かった。左馬刻くんは薬を取りに行ってるからそのうち戻ってくると思うよ」
『分かりました、ありがとうございます先生』
寂雷「あまり無理せずゆっくり休むんだよ」
それだけを言い残せば、寂雷先生は診察室へ戻って行った。
一人になった処置室で天井を見上げる。
寂雷先生優しいし注射すごい上手いしイケメンだしイケボだし…そりゃ患者さんにも人気あるよね…
注射も痛くなかったし安心した…
ほっとしたのか自然と睡魔に襲われて私はそのまま夢の中へと落ちていった。