第12章 お 見 舞 い
『んっ……』
私は深い眠りから目を覚ました。
重い瞼をゆっくり開けば見慣れた部屋にいた。
『あれ…私病院で点滴してたような……』
病院で点滴していたはずが、いつの間にか家のベッドに寝ている私。
これは一体どうゆうことなんだろう…
瞬間移動でもしたのかと思いながら天井を見ていれば、右側の視界にぴょこっと顔を出すピンク髪の彼に私は目を見開いた。
『へ…?乱数くん…?』
乱数「あ、オネーサン起きた!体調大丈夫?」
『…なんで乱数くんが?』
私は夢でも見ているのかな…なんて思いながら乱数くんの可愛いお顔を見ていれば、次は左側の視界に茶髪の美人が写った。
幻太郎「大丈夫ですか?」
…なんでこの二人が……
だる重い頭をフル回転させて考える。
乱数「オネーサン?」
『なんで乱数くん達が…?』
乱数「帝統から話聞いて、心配になったから皆でお見舞いに来たってわけ!果物の詰め合わせ買ってきたから後で食べてね♪」
幻太郎「花束も買ってきたので、適当に花瓶に入れておきました」
『えっ、な、なんかありがとう…そんなに心配しなくてもただの風邪だから大丈夫だよ?』
乱数「でも酷い風邪って聞いたよー?」
『まぁ…いつもよりは酷くなっちゃって…病院に行ってきたよ』
幻太郎「碧棺さんがとても心配そうにしてましたよ?もう帰りましたけどね」
『はぁ…色んな人にご心配おかけして…本当に申し訳ない…』
幻太郎「いいんですよ。困った時はお互い様ですし、小生達はお見舞い序に帝統を回収しに来ただけなのでお気になさらず」
乱数「最近帝統の様子見ないと思ったらオネーサンの所に居るんだもん!僕だってオネーサンのお家にお泊まりしたいのに!」
頬を膨らましながら不貞腐れている乱数くん。
可愛い…こんな自宅で良ければ何時でも止まってくれていいよ乱数くん。
そんなこと思いつつ、ゆっくりと身体を起こせば帝統くん姿が見当たらなかった。