第11章 誤 解
帝統「お?アンタ、ヨコハマの!なんでここに?」
左馬刻「それはこっちのセリフだ」
左馬刻さんは何故かピリピリしていて、喧嘩になるんじゃないかと思い少し焦る。
『あの…帝統くんとは昔からのお友達で、よく遊びに来るんです…!』
この場を収めようと、昔からの友達だから泊まりに来ることが多いのだと嘘をついた。
すると帝統くんが不思議そうにしながら首を傾げた。
帝統「…昔からの友達じゃn…!!!」
『余計なこと言わなくていいの…!』
帝統くんにだけ聞こえる声で余計なことを言わないように口止めしつつ、帝統くんの口を手で塞いだ。
すると、左馬刻さんはいきなり私の手を掴んできた。
左馬刻「…今はそいつに構ってる場合じゃねぇ。さっさと行くぞ」
左馬刻さんは私の手を引き玄関から外に出て車の所まで連れてこられれば、そのまま車に乗せられた。
『えっ、あの、左馬刻さん…家の鍵閉めてない…』
左馬刻「あいついんだから平気だろ」
それだけ言えば、車のエンジンをつけて病院までの道を走る。
帝統くんが勝手に帰ったら家がら空きだよね…
まぁ取られて困るようなものはないけど…
そんな事を考えながら窓の外を見ていれば、左馬刻さんに声をかけられた。
左馬刻「風邪引いたの、昨日のアレが原因だろ」
『えっ…あ、いや別に…』
左馬刻「……悪かったな」
謝罪の言葉に私は左馬刻さんに目を向ける。
まさか謝られると思わなくてすごく驚いた。
『全然大丈夫ですよ?左馬刻さんは悪くないです』
左馬刻「つれぇ時は俺に連絡しろ」
『…ありがとうございます、左馬刻さん』
ぶっきらぼうだけど、その一つ一つの気遣いの言葉に私の心が暖かくなった。