第11章 誤 解
頬を引っ張ってみても帝統くんは全く起きる気配がない。
眠深すぎない?なんて思っていれば、帝統くんは寝返りを打った。
抱きしめられていた手から解放されれば、今のうちだと思い私はその場から離脱する。
『良かった…やっと抜け出せた…。もういいや、帝統くんは放置して私は準備しちゃおう』
帝統くんは寝かせたままに、だるい身体を引きづっては外に出られる格好をして髪も整える。
すると、家のインターフォンが鳴ったかと思えば左馬刻さんが家にズカズカと入ってきた。
私は帝統くんを隠すかのように寝室の扉を閉めた。
左馬刻「来たぞ。体調大丈夫なのかよ」
『あ、はい…なんとか…』
帝統くんを起こすだけでなんか余計に悪化したような気もするけど…なんて言えない。
左馬刻「……誰かいんのか」
『…へっ?な、なんでですか?』
左馬刻「玄関に男モンの靴があったぞ」
『…………それは、その……』
やばい…靴までは忘れてた…!!!
なんて言い訳する?男好きとかイメージ付けたくないんだけど…!
そう思っていれば、運が悪いのか間が悪いのか寝室から寝起きの帝統くんが出てきた。
帝統「いや〜、よく寝た…」
欠伸を漏らしながらリビングに出てくる帝統くん。
なんで今なの…!!!さっき全然起きなかったのに…!
そんなことを考えながらも、左馬刻さんをちらっと見れば帝統くんの事をめちゃくちゃ睨みつけていた。