第2章 キスまでは、あと少し
「ありがとう。これ、プレゼント?」
「もちろん」
「開けていい?」
「どうぞ」
赤いラッピングに、白いリボン。
音駒カラーだ…なんて、密かに顔が綻ぶ。
「ネックレス…?わ、可愛い!」
箱の中には、リングが二つ重なったネックレス。
シルバーとピンクゴールドの二色が、陽を反射してキラキラ輝いてる。
「嬉しい!あ、でも何か悪いよ…。私が鉄朗くんにあげたの、クッキーだよ?」
「気にすんなって。ていうか、俺も欲しくて買ったもんだからさ。これ、ペアなの。ほら」
アウターのファスナーを少し下ろして、ソレを私に見せてくれる。
鉄朗くんの首に掛かったネックレスは、シルバーとブラックのリング。
確かに、同じデザインの色違いだ。
「な?ペアのアクセサリーって憧れてたんですよ、ボク」
ちょっとふざけた言い方がまさに鉄朗くんらしい。
私に気を遣わせないためだって、わかってるんだから。
「ロマンチック~!」
「あ、おい!バカにしたな!?」
「してないよ!私も憧れてた!嬉しい、すっごく!今から着ける!で、絶対外さない!」
鉄朗くんの気持ちが本当に本当に嬉しくて、思わずギュッと抱きついた。
「ありがとう、鉄朗くん。大好き」
「俺も、大好きだよ。小雪」
目と目が合う。
数秒の沈黙のあと、鉄朗くんの顔がちょっと近づいてる…ような…
え、これ、もしかして…
これがキス…?
目瞑ればいいのかな?
や、どうしよぉ…勘違いだったら恥ずかしい!
「キスするの?」って聞くのはおかしいよね!?
わかんない…!あゆみちゃんに聞いとけばよかった…!!