第2章 キスまでは、あと少し
まだ赤く染まったままの頬にピタリと手のひらを添えて、今度は瞳で確かめる。
もうこの先ずっと、小雪のキスしかいらない。
小雪がキスするのも、俺が最初で最後だからな?
きっと今、心は同じ。
「鉄朗くん。私、18歳の誕生日、一生忘れない」
「俺も。18歳の誕生日は奇跡が起きた日だと思ってるよ。ずっと好きだった小雪が、彼女になってくれて」
「ずっと好きだったのは、私もだよ?」
「…ほんっと小雪は可愛いこと言い過ぎだから。あ、言っとくけど、18歳どころじゃ済まさねぇよ。あと100年、毎年忘れられない誕生日にしてやるからな」
「ふふっ、私何歳まで生きるの?」
「118歳?」
「鉄朗くんも、それまで生きててよね」
「当然」
近づく唇に、さっきよりもう少し大人のやつ。
とびきり甘い二度目のキスを、君に―――。
【 end 】