第2章 キスまでは、あと少し
*黒尾side*
待ちぼうけ食らわせて、小雪のこと色々不安にさせて泣かせた俺。
ちゃんと話をして気持ちめいっぱい伝えた結果、また心を通わせることができた。
「大好き」って言ってくれる小雪。
もう、愛しくてどうしようもない。
ただ抱き合ってるだけじゃ足りねーよ…。
もっと小雪の近くに行きたい。
いい…よな?男を見せるならここだよな!?
大丈夫、無理矢理したりしねーから!
心持ち顔を傾けてみる…と、何か小雪固まっちまって…。
いいのか、ダメなのか、どっちだ!?わかんねぇ!もう、男って大変っ!!
「キス。したいんですけど。いいですか?」
確認するとか、ダサくね…?
言ったそばからもう後悔。
でも腕の中の小雪は、赤くなりながらも小さく頷いてくれた。
あー…、やっぱすっげぇ可愛いわ。
めちゃくちゃ好きだ。
ピンク色の唇に、そっと俺のを重ねる。
俺たちの、初めてのキス―――。
柔らかい唇も、それに反してカチコチの体も、全部俺の熱で解していく。
数秒の甘い瞬間を置いて、少し唇を浮かせてみる。
すると小雪は、俺と目を合わせることなく肩に額をコテンと預けてきた。
「ちょっと…待って、ね…。や…、わたし絶対顔真っ赤…」
……ナニコレ。
小雪の可愛いが止まらない…!!
「誕生日にファーストキスなんて、夢みたい…」
「…え?」
「え?何?」
「いや、なんも…」
ファーストキスって、ホント?
俺が小雪の初めて?
ヤベー…、超嬉しい…!!
「プレゼント、二つも貰っちゃった…」
「いや、どっちかっつーとコッチは俺のがオイシイ気がすんだけど…」
「そんな…嬉しい。だって、いつしてくれるのかな?って、ちょっと思ってたから…」
「…マジで?」
「うん…」
小雪も俺とそういうことしたいって、思ってくれてたんだ。
俺だけじゃなかった。もう少し先に進みたいって願ってたのは。