第2章 キスまでは、あと少し
手を繋ぐのにも慣れてきた。
「小雪」「鉄朗くん」って、名前で呼び合うのにも。
春高が終わり、お互いの受験も無事に終わった俺たち。
付き合い始めた端から、外でのまともなデートは二回しかしていない。
一緒に帰ったり、図書館で勉強したり、学校帰りにマックに寄ったり、それくらいのことしかできずにいた。
「よくフラれずにここまで来たね」なんて、夜久の彼女のあゆみちゃんにからかわれたっけ。
マジでそうだよな…。
もちろん俺だっていっぱい会いたかったし、電話だってLINEだってマメにしたいって気持ちは十分にあった。
でも練習と受験が重なれば、思うように時間を使えないのも仕方なくて…。
何の文句も言わず、ただただ応援してくれた小雪にはほんと感謝しかない。
やっと普通のカップルっぽくデートできるようになった。
しかも、小雪の誕生日目前。
そろそろ次のステップに進んでもいいんじゃ…?
そんなことを思う、今日この頃。