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黎明即起

第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)



黎明はこんのすけの見るモニターを一緒に見ながら周囲の気配を注意深く探る。修業時代、まったく経験がないのも危険だからと熟練度の高い先輩についていくつか行ったそういう場所。そこと全く同じ気配がすることに、緊張は高まるばかりである。
モニターを流れる文字は、最終的には確かにこの本丸を指していて間違いはなかった。

「どうしましょう……連絡は入っているはずですが、出迎えもないですし」

間違いであることを期待していた様子のこんのすけが、へたりと耳と尻尾を垂らして黎明を見上げる。
黎明の方は顎に手を当てて考えるそぶりを見せたが不意に顔を上げて本丸があるだろう方向を見つめた。こんのすけがそのことに目を瞬かせるのとほぼ同時に、カサリと低木の葉が擦れ誰かが姿を現した。

「……あんさんら、何用で此処に居るん? 悪いことは言わん、ここの主はんに見つかる前にそこの門から出て行き」

木々の間から姿を現したのは長身で細身の少し気怠そうな雰囲気をした男性だった。
男性は黎明たちを見ると僅かに目を見開いた後、そんな問いかけをしてきた。黎明はその言葉に軽く首を傾げてからこんのすけを見下ろし、モニターなどを片付け終わっていた彼をそっと抱き上げてまた男性を見た。

「私はその主に会わなければいけないのだけど……」
「なんで?」
「こちらに通知はきていないの? 私は審神者の見習いです。こちらで行儀習いをするように言われてきたんです」
「……行儀見習い、なぁ。ほんならここでちょい待っとって。主はんに言うてこなあかん」

黎明が抱き上げたこんのすけを見ると男性の眉間に皺が寄った。訝しげな表情だろうその顔に用件を告げれば、皺は深まり視線は鋭くなる。
黎明はその視線にも物怖じせず、まっすぐ受け止めると男性の瞳を探る様に見つめ返している。男性の方は黎明の言葉に僅かに思案した後、言うだけ言ってくるりと踵を返して歩き出そうとする。
その一歩を引き留めたのは黎明だった。

「待って」
「……なんです?」
「貴方、本当にここの人?」
「どういう意味ですん?」
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