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黎明即起

第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)


04

翌朝、黎明は障子の向こうにある気配に気づき眠りから目を覚ました。
本格的に熟睡は出来ないと思っていたが、存外しっかりと寝入ってしまったらしい。
気配を追って障子の方を見たがそれが隔てた向こうにはまだ朝日も昇っていないので、人影は見えない。
しかし確かに気配があると確信して身体を起こすと特に寝乱れた場所はなかったが、それでも袂を整えて手櫛で髪を簡単に直すと立ち上がって障子を開ける。

「明石国行様?」
「あ、起こしたか?」
「いえ……そろそろ起床時間でしたし。いつからそうされているんですか?」
「んー? いつからやろうねぇ」

廊下を見れば障子に凭れるようにして自身だろう刀剣を腕に明石が座り込んでいて、開けて顔を出した黎明を見るときょとんとした表情の後問いかけてきた。
黎明は静かに首を横に振ると、一体いつから居たのかと問えば飄々とした様子で誤魔化されて内心でムッとすると、チラリと見上げてきた明石がふんわりと笑った。
安心しているような柔らかいそれに目を見開くと、冗談ですと言葉が続いた。

「あんさんが寝入ってから暫くは経ってたと思います。まぁ、この本丸はどこに居っても居心地悪いさかい、あんさんの傍が一番落ち着くみたいでな」
「……そう」
「もう起きるんです?」
「ええ、起きます。少し待っていて貰えます?」
「もちろん。ああ、せや。その口調、初対面の時みたいに崩して貰う方がええです」
「え……でも」
「構いません、崩したってください」

にこりと笑った明石に押し切られ、黎明は本人が望むならと頷くと再び障子の中へと戻る。
枕元で丸くなっていたこんのすけはそのままに、衣装を巫女衣装に着替え袖を紐で結い上げて髪を括った所でこんのすけが起きたらしく寝ぼけ眼で黎明を見上げてくる。
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