第1章 日常1~烏野~
「菅原さん…」
菅原さんが私の腕をつかんでいるおじさんの手をつかんだ。
「ここはそういうお店ではないのでやめていただけませんか」
「ヤローには用事はねぇんだよ」
「従業員も困っております。それともいいんですか?周りを見てください。」
そういって周りを見ると、近くに座っていた別の組のお客さんたちが「なにあのおじさん」「マジ迷惑」「お姉さん困ってんじゃん」とひそひそ話していた。
「お客様にはこころよくお店でお酒やお料理を楽しんでいただきたいのです。このようなことはおやめください。」
にこりとおじさんに笑いかける。
あ、ブラック菅さんだ。
おじさんは私の腕を離して、またお酒を飲み始めた。
「菅原さん、すみません。ありがとうございました。」
菅原「いいよ、いいよ。大丈夫だった?」
「はい、大丈夫です!」
菅原「もうあの席にはいかなくていいからね、俺か日向に行かせるから」
「すみません、ありがとうございます」
菅原「よし、後半も頑張んべ!」
こうゆうときに菅原さんは本当に頼りになる。
あれは誰でもきゅんとするよね。
そりゃ、常連さんも増えるわ。