第2章 つくもがみといっしょ!
うちにいる付喪神たちの中でも、一番付き合いが長いのはサボだ。
幼い頃は一緒にやんちゃもしたが、実家を出てからはうちの家計を家計簿ソフトによって管理してくれるほど頼もしいPCへと成長している。
「お、サボからメール来てるぞ。サンジが酔い覚ましのデザート作って待ってるってさ。よかったじゃねェか。あと今月厳しいからタクシー使わずに歩いて帰って来いってよ」
サンジ君は去年卒業した美人な先輩から譲り受けた冷蔵庫で、彼に任せた食材は腐りにくくて長持ちするからとても助かっている。
しかも、サンジ君は料理がとてもうまいし、女性に甘い。
いつも美味しいデザートを作ってくれるから大好きだ。
「同じ”サ”のつく付喪神同士でもここまで待遇に差が出るものなのですか」
「おら、こっちから行くぞ」
エースが私の手を引っ張った。どうやら近道を探してくれたらしい。GPS機能って便利だ。
家で待つ付喪神たちのために、私は今日も家路を急ぐ。