第43章 煙 くゆりて 人 攫う
手中に収めたばかりの越前越中。
まだ全部に支配が行き届いていないのを良い事に、勝手をし、不正を働こうとしている。
その悪の芽は早目に摘み、正しておかねばならない。
(ここで今一度、灸を据えておくのも良い)
「どんな不正や謀(はかりごと)であろうと、
我々に仇名し、不利になるようなことなら、
容赦無く罰する」
信長の緋い瞳が冷たく光る。
「この度は、瑠璃の身が案じられる。
時期尚早ではあるが、明日、越前に向かう。
現地にて情報収集をしつつ、救出する!
救出次第、全滅させる。
秀吉は、京 今小路を追求しろ」
信長が決断をくだした。
と、そこへ