第43章 煙 くゆりて 人 攫う
「信長様、私も連れてって下さい!」
美弥が申し出た。
「駄目だ」「お前は来るな」
信長と政宗に同時に止められる。
「足手まといだ」
「信長様っ!」
随分な言いようだが、付いて来られては心配の種が増える。
「ヒドイっ、なんで駄目なの?
私の代わりにに瑠璃さんが連れて行かれたのにっ‼︎」
美弥は納得しない。
そんな美弥に
「だからでしょ」
家康が冷たく言い放つ。
「相変わらず馬鹿だね美弥。
アンタが付いて行ったら瑠璃が身を呈して代わった意味がない」
棘のある言い方で家康が美弥を止める。