第43章 煙 くゆりて 人 攫う
どれくらい、そんな文をやり取りしたのだろうか、
と美弥が思っていると、
「あっ!解りましたっ!」
三成が閃いたらしい声を上げた。
「都鳥は『都を通り』ですね、きっと。
それから、渡り鳥は越冬します。
冬が来る前に越冬する。…冬の前、越冬…
行き先は、越前 です!」
三成の言葉に
「そんな、なぞなぞ みたいなの?」
美弥が信じられない と言う顔で、
キョトンとしながら、皆を見回している。
「越前…朝倉絡みか?」
「あり得るな。残党か身内かだろうな」
小谷城を落とした後、おおよそ処刑したはずだったが、逃れ残っていた可能性はある。