第43章 煙 くゆりて 人 攫う
瑠璃は、庭の見える部屋を用意され、
庭を見ながら、色々 状況を整理して考えてみたが、今ここに逃げる手立てがないようなので、考えるのを、あっさり止めて眠った。
翌朝、陽も昇らないうちに起こされ、
身支度を整えさせられた。
「手を出せ」
自分からお縄に着くようで口惜しいが、
神妙に悲しげに眉を下げ、困惑し、
懇願するような瞳で、縄を手にして立つ男を見上げた。
「う……恨むんなら、信長を恨むんだな」
瑠璃の瞳から逃げるように、
急いで瑠璃の手首を縛り上げ、顔を背けた。