第43章 煙 くゆりて 人 攫う
それを見た瞬間、政宗の気がユラリと揺れて変わる。
「美弥、何があった」
泣いていて話にならない お夕 を見切って、
政宗は美弥に問う。
抑揚の無い重い声は、冷え冷えとして怒りを含んでいて、柔和な相貌は一瞬にして鋭切となり、思わず怯みそうになる。
「…政宗………信長様…瑠璃さんがーー…」
城下であった出来事を話す。
「そいつらは信長様の女を探していて、
お前の代わりに、瑠璃が『信長の女』になって、
連れて行かれたって事だな」
秀吉がまとめる。
瑠璃が自分を庇い身代りになって連れて行かれた事。
相手は何処の誰かも分からない事。
『血眼になって女を探し、探し当てた時、
その女の成れの果てを目の当たりにして、
怒り狂うがいい』と言っていた事。
見聞きした事、感じた事は全て話した。