第43章 煙 くゆりて 人 攫う
けれど、怯えていた美弥が話せる事はそう多くなかった。
「瑠璃さん…政宗ぇ、ごめんなさい…」
顔を覆って泣く。
「私が…城下へ、行こうって……たから…」
「ふぅ〜…泣くな。お前のせいじゃないだろ」
政宗がため息を吐きながら、美弥の頭にポンッ と手を置く。
「政宗様っ、私か付いていながら、
お守りする事が出来ずっっ……ぅぅ…
どんな罰も慎んで受ける覚悟でございますぅ…」
お夕は政宗の前でまだ、土下座のまま泣いている。
「はぁぁー…お夕……お前が居ても、
男に太刀打ち出来るわけがない。
だから、そんなに気にするな。
それに、お前を罰したら、帰って来た瑠璃に俺が怒られる」
ヤレヤレ…と言う風に、政宗は、また大袈裟なため息をついた。