第43章 煙 くゆりて 人 攫う
「血眼になって女を探し、探し当てた女の成れの果てを目の当たりにして、怒り狂うがいいさ。
帰ってそう伝えな!侍女の嬢ちゃん」
「キャァッ!」
投げ飛ばされるように乱暴に解放され、
美弥が倒れ込み尻餅をつく。
「美弥っ…」
瑠璃が美弥に気を取られた隙に
「あっ!」
手から守り刀を取り上げ放り投げられた。
「こんなもの、持っててもらっちゃ困んだよ。
自害されちゃ意味がねえ。
無駄話はここまでだ。連れてくぞ!」
合図で男2人が瑠璃の両腕を掴む。
「いやっっ、離しなさいっ、何をするのっっ」
抵抗する間も無く、背中に腕を回され、
縛られたかと思うと
ドッッ
「ゔっっ」