第7章 義臣と疑心
「政宗。
見て下さ〜い」
小走りに政宗の元に戻って来た瑠璃を見れば、髪に花を飾り付けている。
「花冠を作るような花ではなかったので、編み込んでみたの。
似合いますか?」
サイドに纏めていた髪を後ろに緩く解き、一部三つ編みの中に花を咬ませて、
花の列で髪を纏めている。
「今朝結った髪には飾りが無くて、物足りなかったけど、これ、いいでしょ?」
ふふふふ、と満足気に笑う。
「ああ、華やかで良いな。
飾りがなかったなら、市で買ってやったのに、何で言わなかったんだ?」
「あの髪型に似合いそうな飾りを市では見つけられなかったから」
「そうか、
今度、出掛けた時、欲しい物があったら
ちゃんと言えよ」
(お前が欲しいもんは、なんでも買ってやる)
瑠璃を見ると、表情が曇っている。
(喜ばないのか?)
「どうした?」
「……また、一緒に出掛けてくれるの?」
「どー言う事だ?何でそうなる?」
「…だって……
途中から、政宗、私の事背中に隠して
歩いてた。」
(そんなの、気付いたのか?)
さりげなく、後ろに回したつもりだった。