第40章 平和な海遊び(息抜き劇場)
「君の事は大学で噂に聞いていたから、
お目にかかれて光栄だ」
「大学で…噂…」
「俺、院生で研究室にこもってばっかりで、
誰かに会う事は少ないけど、噂は多分、
君の事で合ってると思う。
もの凄い美人の旧家のお嬢様が通ってるって」
瑠璃を見る佐助の瞳がキラキラと輝きだし、
瑠璃が硬直する。
(何を言われるのかな…)
瑠璃が不安になっていると、
「現代に帰れたら、是非!
君の家にお邪魔させてもらいたい!」
(え…?家?)
予想外の言葉に呆然とした。
「何故って、藤原邸宅は国の重文じゃないか」
そんな瑠璃には御構い無し。
佐助は手を握り真剣な眼差しで、興奮気味に瑠璃に迫る。
(感情の分かり易い人だな)
ただの歴史好きなのだ。