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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第7章 義臣と疑心



「政宗…いたーい」
「自業自得だ、馬鹿め」
フンと鼻を鳴らして笑う政宗。
子供の様な2人の様子を眺めて嬉しそうに主人が言う。
「政宗様がそのように笑うのを久しぶりに見ましたな」

「あー……。
主人、こいつの袴を作りたい」
バツの悪そうな顔で、話を逸らすかのように、申し出る。
「袴でございますか。
お着物ではなくて?」
「着物も仕立ててやりたいんだが、
まず、袴がいる」
「左様でございますか……」
なんとも腑に落ちないと言った様子の主人に
「こいつは、案外じゃじゃ馬でな。」
と瑠璃を見ながら付け加える政宗。
そんな政宗を瑠璃は可愛く睨みつける。


「3.4着あっても良いだろう」
「政宗、そんなには買って頂けません。
私、そもそもお金が無いですよ」
慌てて願い下げる瑠璃に店の主人が言う。
「姫様ともあろう方でしたら、それなりの
お召し物が必要でしょう。
政宗様がそう言われるのですから、
遠慮なさらずともよろしのですよ」
「商売上手だな〜」
カラカラと笑うと、上がりに座り、
出された茶を飲み始める政宗。
その横で瑠璃は、静かに立っていた。

「さぁ、さぁ、お持ちいたしー……!」
瑠璃を見るなり、抱えていた反物を落としそうに驚く。
「姫様、何故立っていらっしゃるんですか?
お座りになって下さい!」
主人はアワアワと慌てふためいて、瑠璃の側にやって来ると、手を取り、上がりの政宗の側に引いて行く。
「いえ、勧められないのに、座るわけには……」
申し訳なさそうにしている瑠璃を、主人は押し座らせる。


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