第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
何ヶ月かぶりの平穏な1日。
政宗は泉殿で夏の陽射しにキラキラと輝く水面を、瑠璃を膝の中に収て、眺めながら話をしていた。
「政宗に会うの、久しぶりみたいですね」
長い戦ではあったが、まったく何ヶ月も会っていない訳ではない。
「久しぶりじゃないだろ」
「わかってますけど、久しぶりみたいな感じがします」
「お前を小谷城 本丸で見た時は
冷汗が出るほど、驚き焦ったぞ。
何で戦場に居たんだ」
責めるわけではないが、政宗は少し厳しい眼と口調をした。
けれど、そんなのなんのその、
瑠璃はいつものように、涼々として経緯を話す。
政宗とは本丸で再開してからずっと一緒ではあったけれど、臨戦態勢で殺気立っている政宗を避けて、瑠璃は、光秀にひっついていたし、城に帰還してはすぐに宴が始まり、2人で会って話をする時間がなかった。
その為、政宗は瑠璃の行動の経緯と真相を、
今日まで知る由がなかった。