第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
「ふーん…そうか。
危ないからあまり感心はしないが……。
良かったな、やりたいようにやれて」
(自由で居ろって言ったのは俺だしな)
苦笑しながら瑠璃の頭を撫でてる政宗に、
瑠璃は本当に嬉しそうに、童女の笑顔で
「はいっ」
と、返事をした。
瑠璃の満足そうな笑顔を見て、政宗も満足ではあったが、
「なにも…こんなに切らなくても良かっただろ…」
不満を言う。
「小姓としては長すぎるかなと思って…」
疑われないようにと、切ってしまったのだ。
肩までになった瑠璃の髪をパラパラと掌から零しながら、
「お前の髪、綺麗だったのに。
これじゃ、結えば本当に男みたいだし、
下ろせば童女みたいじゃねーかよ…」
(そんな趣味ねぇのに…)
切った理由も、瑠璃の心意気も理解はするも、
ボソボソと愚痴る政宗。