第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
目を開けたばかりで、未覚醒の瑠璃は
無防備で鋭くなくて、ものすごく可愛い。
ちょっと掠れた眠そうな声で
「……政宗ぇ、大丈夫?」
と言った。
その意味。
とぼけて見せたが、色々含んでいた事には気付いた。
寝起きで頭も働いてないのに、
そこまで気を回すなんて、本当、可愛い。
でも、解ってる。
それだけ、俺を心配してくれてたってこと。
『寝不足』の事じゃなくて、俺の気が戻ってるかどうかを確認したんだろ。
そして、大丈夫そうだ と、確認して、
フワフワふにゃ〜っ と幼げに笑ったんだって事。
たったそれだけ、短い時間の短い会話なのに、
とても幸せな気分になる。
自然と笑みが溢れた。
「お帰りなさい。生きて帰ってくれて ありがとう」
「お前もな」
チュッッ と口付けて、お互い 微笑み合った。