第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
それから瑠璃は政宗の腕に抱かれて、
もうひと眠りし、次に目覚めたのは、
政宗からのキスでだった。
「…ん…ぅん…」
二度寝の重い瞼を上げると、そこには、
政宗の蒼い瞳が少年のように笑っていた。
(…蒼い…まさむね……)
まだ覚醒しない瑠璃だけど、政宗と瞳を合わせる。
「……政宗ぇ、大丈夫?」
「何の事だ?」
ずっと笑顔で瑠璃を見ている政宗が、
不思議そうに瞳を揺らす。
「寝不足…じゃ、ない?」
フワフワした口調で瑠璃が問えば、クククッと可笑しそうに喉を鳴らして政宗が笑う。
「俺を誰だと思ってんだ」
「んー…まさむね様…」
瑠璃が フワッ と幼く笑う。
(良かった、大丈夫だ。いつもの政宗だ)
嬉しそうに笑う瑠璃を政宗が優しく見つめていた。