第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
こうやって政宗の顔をちゃんと見るのは
本当に久しぶりだった。
小谷城で闘っている政宗を初めて見た。
全く別人、知らない人
(政宗の顔をした他の誰かみたいだった…)
解っていたつもりでも、背筋が凍るような武将独眼竜の姿を思い出して身体が強張る。
(でも…ああして、大切なモノを守ってるんですね)
どんなに陰殺とし、惨慄残酷としていても、
それでも、それは、大切で大好きな政宗の一部。
「…ありがとう、政宗。大好き」
サラサラと髪を梳きながら、甘々と政宗を見る。
疲れきって無防備に寝ている政宗の頬に
もう一度、チュッ と口付け
「ゆっくり お休みなさい」
そう言って、布団から起き出そうとした瑠璃だったが、クンッ と引っ張られ、布団の中に引き戻される。
「⁉︎」
「…どこいく…もうちょっと、寝てろ……」
「…起きてたんですか///」
瑠璃は赤くなって顔を下げた。