第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
外での瑠璃の姿。
声を上げ、城内でより遥かに表情豊かに話し、
屈託なく笑う瑠璃。
感情も声の抑揚も豊かな自然体の瑠璃。
(あんな風に笑って話せるんだな…初春みたいに)
秀吉は少しホッとしつつも、童女のような飾らない瑠璃をザワザワとした気持ちで見ていた。
感想は人それぞれで、
「光秀様と瑠璃様は本当に御兄妹のように仲良しですね!
光秀様の話術で瑠璃様の気も落ち着かれたようで、何よりですっ」
間違いではないが、何となくズレた感想を三成がニコニコと述べる。
「三成、お前は…本当に…」
家康が渋い顔をする。
「良い表情(かお)をするようになった。が、誰のお陰であろうな」
信長も振り返り、馬上で光秀とやり合っている瑠璃を意味深な言葉て揶揄った。