第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
「嫌味もお上手ですね💢」
「怒った顔も凛々しくて美しい」
「っ〜〜ーー////」
おだてられいると解っていても、
急に褒められて、顔が赤くなる。
「お前はまだまだ俺には勝てぬ。精進しろ」
光秀はまた意地悪く言って笑うが、
その瞳は穏やかに優しく、
見守るような眼差しをしていた。
光秀の腕の中の瑠璃の気は緩んでいた。
恐怖に張り詰めて強張っていた気も、
身体も、力が抜けて生気が戻った様子だった。
「光秀様なんか嫌い!」
「そう言うな。俺は好きだぞ。
もっと話をしようではないか」
「イヤです💢もう降りる!」
「政宗の処に乗るのか」
「政宗の所に乗りますっ。光秀様と乗るよりマシですから!」
「おい瑠璃、光秀よりマシって何だよ💢」
「そう言う意味です。政宗の所に乗ってあげましょうか?」
「あ"ー、小姓姿で言われるとなんか腹立つな」
秀吉は振り向いて、3人のやりとりを、と言うか、
初めて見る瑠璃の様子を ぽかーん と眺めていた。