第39章 安土凱旋帰還と平穏の日
「では、お前はあの男が哀れか」
「そんな事、思いません!」
光秀の挑発に乗せられる瑠璃。
(やはり理解はしているのだな)
「ならば、怖がることはないだろう」
光秀はあえて呆れ気味に言って、更に瑠璃を挑発する。
「物質的にですよ!
苦辛の顔で、見開かれた眼は怨憎として、
口から血をこぼしながらっ……
無念に苦悶しながら死んだ。
哀れでも不憫でもない。けど、でもっ…
怨恨を抱えた顔があんなにもっっ…
…恐ろしいなんて……初めて見たんです…
私だって怖いに決まってるじゃないですかっ💢」
喚くように捲し立てて胸の奥に巣食った恐怖を吐露し、そして、
ドンッッ‼︎
瑠璃は感情に任せ、光秀の胸を拳で強く叩いた。
その衝撃を受け止め笑う。