第38章 戦勝し戴天に近づく
そうして信長自らも、先頭を指揮して、
朝倉追撃が開始された。
「山中 行く手には気を付けろ。
特に、足元は泥濘 滑る。気を抜くな」
信長は歩兵達を気遣いながらも、追随の手は緩めない。
「速やかに、くまなく探せーっ!」
三方からの追っ手は確実に朝倉義景を追い詰めて行った。
「居たぞーー!」
「殿を守れっ」
少しずつ、応戦の為散々したり、
殺されたりし、次第に減ってゆく朝倉軍勢。
「義景様は逃げ仰せられたぞ」
「ふんっ、今の処はだろ」
敵の挑発に、政宗は含み笑いを浮かべ、
嘲笑ったかと思うと、次の瞬間には、
目の前の敵将を眼光同様 鋭い刃で一閃し、
鮮やかに断斬した。