第38章 戦勝し戴天に近づく
同じ頃 安土城で思案顔に暮れていたのは三成。
(伝達系統は全て出してしまっていますし…)
そこへ顔を出したのは、美弥と瑠璃。
「三成くん。甘味でもどうかな?」
「…………」
「三成くーーん」
声を掛けるも、案の定いつも通り 無反応。
瑠璃が一歩近寄り、つくえの上の文を、
サッと取り上げれば
「あっ!何をっ……瑠璃、様?それに、美弥様も……」
案件が視界から消えてようやく我に返る。
「瑠璃さん、すごーい!」
美弥が尊敬の眼差しを瑠璃に向け、感嘆する。
「三成様は興味のないものには反応されませんからね」
瑠璃が愉快そうに ふふふっと笑う。