第38章 戦勝し戴天に近づく
大将逹が先陣を切ったお陰で、
奮い立った兵士逹も二手に分かれ、
全員無事に急流の宇治川を渡り切ることが出来た。
中洲で一旦 休みを取らせてから後、速かに陣形を整える。
逐次速成※(ちくじそくせい)
「俺が単独で行っても良いですか?」
政宗の冗談みたいな本気。
「死ななければ、好きにしろ」
信長が止めないのは、足利軍側がどんなに足掻いても勝機はないからだ。
3万の大軍に四千の軍で立て籠もって、どうして勝てようか。
信長の許しが出て、一次戦で暴れられなかった分、政宗の闘いの血が沸き立っていた。
※逐次速成…次々とすみやかに仕上げる。