第36章 戦雷落ち 戦命霧散
「正門を蹴破れ」
分厚い門をこじ開ければ、内から蟻のように敵兵が流れ出して来る。
「構えーー……砲撃!」
ダン ダン ダン……
バァン、バァン!
硝煙が上がり、弾雨が降り、倒れ伏せる兵士の
その後ろから、また敵兵が走り来る。
「斬り込め!」
大将 光秀の号令と同時に、斬り込み隊が走り出、鉄砲隊が左右に広がり、広範囲を包羅すれば、砦の側方(サイド)からの敵を迎え撃つ。
雑踏奮叫に混じり、ギンッ、キンッ、と刀槍が擦れ叩きぶつかり合う、甲高い金属音。
ダンダンッと 耳をつん裂く火縄銃の音。
それに、掻き消されるようにドサッ っと人が倒れ、呻く声、断末魔の悲鳴が、とりでの中から周囲に沸くように響く。
狭い空間に、揉み合って闘った兵士の残骸が転がり重なり、
地面は血が染みて赤黒い血貯まりを作る。