第35章 休息労癒(R18)
「政宗は私を救ってくれたから、私も政宗を救うよ。
愛してる……。
私が救うから、ずっと私の側にいて欲しいの」
「俺の女神は、案外 我が儘 だな」
揶揄う政宗の蒼い瞳に、瑠璃は愛くるしく笑いかけると、チュッ と口付ける。
そして、ギュッッ と抱きつき直して、
更に長く口付ければ、政宗が驚いて目を見開いて……
目を細め笑うと、大切そうに口付け返す。
「瑠璃、ありがとう」
(お前が居てくれて、お前は、短時間で己を取り戻せる)
瑠璃を拾う前は 戦で纏った、陰鬱とした気を幾日も引きずっていた。
それこそ、やり場のない思いを抱えて、
何処へ吐き出す事も出来ず、
消化も浄化も出来ず、幾日も抱え、
なんとなく押しやって忘却していた。
それは、いつしか知らないうちに、
心を歪に軋ませて、刀を握れば自分の心が
失くなるような気がしていた。
「瑠璃……」
瑠璃が、昼間の太陽の様に灼煌とした光りでなく、
夜、仄か朧に優柔静寂に輝く月の様な雰囲気を持っているからだろうか。
(いつの間にか……こんなにも依存している。)