第35章 休息労癒(R18)
「鼓でも打ちませんか?
お上手だと伺ったので、用意したんですよ」
言われて見回してみれば、瑠璃はここに
俺の好きな物を集めたようだった。
「茶、菓子、鼓、お前の琴……俺の好物で
慰めようと思ったのか?」
思い付きが美弥と同じで、笑いが溢れる。
けれど、まだ優しく甘く、いつも通りでも、
思い遣りある笑顔でも無い事は、自分でも分かる。
(不敵に笑うのね…)
目を伏せる。
(まるで、私のした事を嘲笑っているみたいに……)
「こっち来い」
おもむろに瑠璃に手を伸ばし、
腕を強く掴んで引き寄せる。