第34章 戦雲立ち 戦火拡大
『瑠璃、怯えてはいけません。
不安や怯え、自信の無さは、相手に伝わります。
そうすれば、相手も不安になります。
その心に付け込まれることもあるでしょう。
弱さは隠しなさい。強くいなさい。
自分を信じなさい』
何度も何度も、刷り込まれるように、
幼い頃から母に言われ続けた言葉。
母の事は嫌いだけれど、母もあの家で苦労したんだという事は解る。
小言を言われ、自由を制限され、ウンザリだったけれど、母の教えの言葉は的確だったのだと、大きくなって身に染みた。
愛はくれなかったけれど、生きてゆくための大切なモノはくれていた。
それが 母親の愛の形 だったのかは、判らない。
皮肉にも、今、この乱世の世で感謝する。
(どんなに、嫌っても、親子で母がいたから、
今の私がいる…残念だわ……)
嘲笑が浮かんだ。