第34章 戦雲立ち 戦火拡大
瑠璃は、鎧を身に着ける政宗を側に座って見ていた。
静かに。
真っ直ぐ、じっと見ていた。
「鎧、珍しいのか?」
的外れな答え。
500年後から来た瑠璃には、珍しいと言えば珍しいが、そんなので、真剣に見ているはずないだろう。
(的、ワザと外してくれたのかな?)
そう思って気が緩んだ。
ふふふっ と笑うと
「政宗の凛々しい姿を目に焼き付けておこうと思って」
「おい、もう二度と見れないみたいに、言うなよ」
「そうならないよう祈ります」
いつも気丈に振る舞い、強い心を保っている瑠璃にしては、弱々しく笑った。