第34章 戦雲立ち 戦火拡大
「分かってるよ、私は信じて待つ って…
でも…心配だし不安だよ」
(人の、大勢の人の命がかかってる…)
戦はいつになっても慣れるものじゃない。
慣れて良いものじゃない。
「言わない方が不安だろうから、言っておく。
今回はかなり厳しい。近々、信長様も出陣されるだろう」
秀吉の言葉に美弥の表情が曇る。
「だけど、ちゃんと、無傷で帰ってくる。
今回は本陣は置かず、小隊に分けて戦うから、
お前を連れて行くことは出来ないだろう。
此処で大人しく待ってるんだぞ」
秀吉は優しく話して、ポンッと頭に手を置いた。
「うん……」
「そうだ、今回は瑠璃もいるじゃないか、
アイツと一緒に仲良く待ってろ」
「そっか!うん、そうするっ。2人で皆の帰りを待ってるね‼︎」
瑠璃の存在を思い出し、一気に明るく元気を取り戻した美弥を見て、秀吉もホッとして笑った。
(やっぱり、美弥は笑ってるのが一番だな)
全てを明るく照らす太陽のようなその笑顔に
気持ちが落ち着き、自らも笑顔になれた。