第34章 戦雲立ち 戦火拡大
「三成くん、入るよ?」
「おお、入っていいぞ」
美弥が三成の部屋に声をかけると、
秀吉の声で返事があった。
(あれ、秀吉さん?)
襖を開けると、三成の口におにぎりを突っ込んでいる秀吉の姿が目に飛び込んで来た。
「三成くん、やっぱり、全部忘れてるんだ」
美弥はこの光景に最初は驚いたが、
戦のたびに目にするこの光景には、流石にもう慣た。
「私も食事を持ってきたんだけど、やっぱり 秀吉さんの方が早かったか〜〜エヘッ」
「……美弥…不安か?」
いつもの様に笑ってみせていた美弥だったが、
不安が顔に出ていたのを、見抜かれていた。
「……」
「馬鹿だな、隠したつもりだったのか?
お前が隠し事出来ないってのは、皆 知ってる」
笑われる。
「大丈夫だ、心配する事は何もない」