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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第34章 戦雲立ち 戦火拡大




地図を畳むと文をしたためる光秀。
その前で瑠璃が琴を奏でる。
優雅で華やかな音色に、戦が迫っているのも忘れそうだ。

「瑠璃、済まないが、これを信長様へ至急、届けてくれ」
「光秀様はどちらへ?」
文を受け取りながら瑠璃が問えば、
「城へ戻る」
「……城?」
光秀の唇が弧を描き、金色の瞳が毒蛇のように輝いた。

門を出て別れ際。
「瑠璃、文を渡したら、政宗を連れて帰ってやれ。
アイツの頭は役に立たん。
出番まで、御殿で体力温存させてやれ」
つまらない軍議に付き合わされ、煮え詰まっているのは毎度の事だが、この度は、長く複雑。しかも、瑠璃も居る。

(この文を渡せば、煮え詰まってる軍議も多少は動くであろう)

フッ っと笑みを浮かべると、瑠璃が光秀を冷やかす。
「…光秀様にも、仏心がお有りでしたのね」
「さぁな、仏心とは限らんぞ」

笑いながら歩き出した光秀が、
言い忘れたように、振り返る。


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