第34章 戦雲立ち 戦火拡大
「もちろん、陸路だな」
(坂本城までは信長様の権限で陸水路を押さえられる。対岸への軍送は、水上を使えば……ーー)
光秀は考えを巡らせる。
時間を短縮し前後を取れば、この戦は大勝利だ。
光秀が慕悦の笑みを瑠璃に向けた。
「光秀様、ここ、狭い所」
瑠璃が地図を指差している場所を、見れば、
なぜ今まで、気付かなかったのか…。
(敵を追い込めば、三方は湖、前を防げば、
水上と陸からの四面楚歌……)
「瑠璃、お前は本当に恐ろしいな」
「嫌だ、どうしてですか?私は何も言ってません。
光秀様が恐ろしい事を考えたんでしょう」